映画「ライフ・オン・ザ・ロングボード」
ストーリー
長年勤めた食品会社から早期退職を選んだ米倉一雄(55)。 三年前には妻を病気で亡くし、三人の娘も次々と独立して、今は末っ子の優を残すばかり。 判を押すように生きてきた一雄は、会社を辞めたいま、抜け殻のようになって家路を辿る。
いつも見慣れない昼間の商店街をとぼとぼと歩き、薄暗く誰もいない家の中で仏壇の前に座り、 亡き妻の遺影に向かって手を合わせる。「終わったよ・・・・・。」
ある日一雄は、鎌倉の実家の父を尋ねる。会社を退職した報告を父にするが、 今でも闊達な姿の父に、「寂しくなるぞ・・・。」と、逆に励まされてしまうのだった。
鎌倉の海沿いの道をひとり散歩する一雄。 江ノ島を望む鎌倉高校の前に佇み、亡き妻・日出子との思い出にふける。
ここは闘病中の妻を引き連れて訪れた思い出の場所だった。江ノ島の景色と、海に浮かび波を待つサーファーたちの姿を眺めるふたり。
日出子「覚えている?あなた。昔付き合いはじめた頃、サーファーになるって言って、 サーフボード買って、髪長くして鬚まで伸ばして、溺れかけてライフセーバーに助けられて・・・。 でも、真剣でキラキラしていたような感じで、あなた格好良かったんだけどなあ・・・」 ふとそんな妻の言葉を思い出した一雄。 実家に戻って物置の中を探し回り、古びたロングボードをついに見つけ出した一雄。 娘たちの反対と心配をよそに、種子島へと旅立つのだった。 種子島に着き、念願の鉄浜に立ち感動を覚える一雄だが、 当然サーフィンなんてできるはずもなく、ただ立ち竦むだけ。 地元サーファーたちが集まるサーフィンのメッカである、「ORIGIN」を訪れる一雄。
オーナーの銀次やその仲間の憲太たちがいるが、当然相手にもされない。それでも一雄はあきらめず、銀次に自分の思いを語る。
そんな銀二は、戸惑いながらも、「ウチヘ泊っていけよ」と受け入れてくれたのだった。 銀二の民宿・「美春荘」に泊り込んで、サーフィンに明け暮れる日々を過ごす。といっても、できる筈もなく、波に向かってはひっくり返る始末。 それでもめげず、笑われながらも、何度も何度も波にチャレンジする一雄。
そんな姿を見て、地元のサーファーたちも次第に一雄のことを認めるようになっていった。次第に『スローライフ』を楽しみつつある一雄。
一方の東京では、就職という現実に追れ、自分のやりたい事をいまだ見出せない優の姿があった。
いくつもの会社の面接を受けるが、ただ惰性で受けるだけで、何も見つけることができない。また、母の最期の時、まるで逃げ出したように、立ち会うことすらしなかった父に対して いまだどこかで憤りを抱いている。
そんな時父・一雄からの手紙が届き、優は読み上げる。
手紙からは、遠く離れた種子島で、一雄が伸び伸びと生活する姿が目に浮かんでくるのだった。種子島の近くを台風が通過するせいで今年一番の波がやってきた。 サーファーたちは、息巻いて海に向かう。 当然、銀次や憲太、そして一雄までもが店もそっちのけで鉄浜に向かう。 そんなとき、優が種子島にやって来た。
すっかり変わって垢抜けた父の姿をみて、戸惑う優だが、一雄とともに海に向かっていく。鉄浜に集うサーファーたち。若者のローカルも織り交じって、うねる波を眺めている。
次々と波に向かっていくサーファーたち。 憲太も代表して波にチャレンジする。が、タイミングを失い、巨大な波にのまれて溺れてしまった。
病院に担ぎ込まれた憲太は意識を失い、危険な状態だったが、 皆の懸命な呼びかけで、何とか目を覚ました。
島では真っ黒に日焼けしてアロハシャツを着込み、ロングボードを抱えた一雄が、 今日も仲間たちと海に向かう・・・・・。
出演
大杉漣、大多月乃、小栗旬、小倉久寛、麻宮美果 西村知美、徳井優、浅香光代(特別出演)、勝野洋
スタッフ
企画/制作:株式会社オフィスキタ
エグゼクテイブ・プロデューサー: 斉藤正明(東芝EMI)、増田一穂(日本テレビエンタープライズ)、 林明夫(電通)、東村昌紀(ランデブー)、喜多一郎(オフィスキタ)
共同プロデューサー:宮崎徹、鬼木秀則
アソジエイト・プロデューサー:大森美孝、越智大志
音楽担当プロデューサー:高木亮 プロデューサー:中林千賀子
脚本:喜多一郎、堀江慶
監督:喜多一郎
音楽:佐橋佳幸
主題歌:「Don’t Worry Baby」by Beaoh Boys
撮影監督:高聞賢治
水中撮影:土屋高弘
サウンドトラック:東芝EMI 単行本、コミック:小学館 「Betsukomi」刊行
製作: 『Life on the longboard』製作委員会、東芝EMI株式会社、 株式会社日本テレビエンタープライズ、株式会社電通、 株式会社ランデブー、株式会社オフィスキタ
推薦:鹿児島県、鹿児島県西之表市